たとえば面接について考えてみよう。
面接官が
「趣味は何ですか?」
と訊く。
訊かれた側は
「自分の趣味はなんだろう?」
じゃなくて
「どう答えたら印象が良いだろう?」
と考えて、まあ仮に
「文学」
と答えたとする。
この2人が文学について語りあっても
その内容は文学に関して言えば不毛だ。
こういうロールプレイ的自己アピールは
世間のいろんなところに現れるのだけど
ある種の無知や無能はそうやって作られているのだと思う。
もしそれが性的なものであればカマトトと呼ばれる。
ここで無知や無能を特に問題にしなきゃいけないのは
「知りません」とか「できません」とかいう嘘は
「知ってます」とか「できます」とかよりもずっとばれにくいからだ。
「知ってます」とか「できます」とかいうのは
「じゃあ教えて」とか「じゃあやってみて」とか言われる準備があるんだろうから
「仮にそういうことにしておこう」
という気になる。
逆に
「知りません」とか「できません」とかいうのに関しては
僕は常に
「さあどうだかねえ」
と思ってる。