昨日書いた「辻斬り説法」は
いわゆるトロッコ問題に関するwikipediaの記事を見て僕が感じたことだ。
(辻斬り説法 - akasaka_34の日記)
そこではトロッコ問題のバリエーション
(日本語版では「2番」英語版では「The fat man」と呼ばれているようだ)
にも言及している。
(2) A氏は線路の上にある橋に立っており、A氏の横にC氏がいる。C氏はかなり体重があり、もし彼を線路上につき落として障害物にすればトロッコは確実に止まり5人は助かる。だがそうするとC氏がトロッコに轢かれて死ぬのも確実である。C氏は状況に気づいておらず自らは何も行動しないが、A氏に対し警戒もしていないので突き落とすのに失敗するおそれは無い。C氏をつき落とすべきか?
この2番はオリジナルの問題と実質的に同じ問題と見なされてて
多くの人がオリジナル問題では5人を救おうとして2番ではそうしないことについて
色々書かれてるんだけど
「3割ほどしか自分の判断を正当化できなかった」
とも書かれている。
いやそれ違う問題だから!
同じ問題なら違う結論を正当化できる人はいないし!
引き出される妥当な結論は
- 単純に1人救うか5人救うかなら多くの人が5人救うことを正しいと考える
- 多くの人は2番をオリジナルと実質的に同じだとは考えなかった
(結論が違うというのはそういうことだろう) - しかしオリジナルと2番がどう違うのか説明できるのは3割ほどしかいなかった
だと思う。
そして普通の人が奇抜な喩え話についていけないとしても
それは特に問題ではないと思う。
補足:
オリジナルの問題はグラ賽無しの運否天賦で
5人と1人はお互いに
「あれはもう1人の自分だ」
と思える関係にある。
5人のおっさんと1人の美少女とかではないことは重要だ。
一方2番では1人は圧倒的な巨漢である。
補足2:
それに2番は設定に無理があると思う。
巨漢を含めて6人死ぬ結果には絶対ならないと確信できる状況というのは
どうにもイメージしにくい。
ていうか確実に5人を轢き殺せるトロッコを確実に止められる巨漢を
後ろから突き飛ばしても動かんだろ?
補足3:
2番はどちらかというと
「500円の牛丼とそれより旨くて栄養の有るウンコ(無料)」
に近いと思う。
普通の人がどう答えたとしてもその判断力を云々できるような質問じゃない。