これまで僕は愚行権というものに
特に違和感も嫌悪感も無かったのだけど
ちょっとした調べものをしているうちに
「これはどうも胡散臭い」
と思うようになった。
愚行権 - Wikipediaにある英語表記は
the right to do what is wrong/the right of(to) stupidity
なのだけどwrongは「不当」や「不正」を含むから
これがまずひっかかった。
the right of(to)なら後に来るのはだいたい財産の類じゃないかな。
まあ他人に迷惑かけてなきゃなんでもいいとは思うけど
妙な人達が愚行権って言葉を広めたがってるようで
どうも気になる。
補足:
ちなみに「愚行権」の英語版とされてる記事は
Harm principle - Wikipediaなんだが
それは違う話というか
Harm principleの日本語版は別にページが要るよ。
補足2:
非常に面白いことに
いくつかのサイトでエイブラハム・リンカーンの言葉として
"No law can give me the right to do what is wrong"
を紹介してる。
上記の英語表記を真に受けるなら
「愚行権を私に与える法律などない」
という意味になってしまう。
補足3:
こんなことを書くと僕が凄く英語に詳しそうに見えるが
それほどでもない。
ただアイリーン・アドラーがボヘミア王を非難するときに
wrongを他動詞として使って
それは一般的には「不当に扱う」と訳されることは憶えている。
時として人間は妙なディテールを記憶に保つ。