仮に、日本人は全体で１００万円、アメリカ人は全体で２万ドル持ってて
１ドルは１００円だったとしよう。
言い換えれば日本人は１万ドル相当、アメリカ人は２００万円相当の金を持ってる。
そしてアメリカは盛大に札を刷ってドルは全部で４万ドルになったとする。
（ここまで極端ではないにせよ、実際アメリカは盛大に札を刷ってる）
当然ドルの価値は半減して単純計算で１ドルは５０円になる。
しかし、日本人がアメリカで買えるものが増えたわけじゃない。
価値が下がったのは「ドル」って書いてある緑色の紙切れだけで
それ以外の物の価値は変わってないから。
話がこのまま進んで１ドル１円になるとき
アメリカ人は全体で２００万ドル持ってる。
そして日本人は全体で１００万円しか持ってないんだ。
円高の原因が他国の金融緩和である場合
相手国では同時にインフレが起こっているから
１円で買える物は増えない。
この話を今日書いたのは日本企業の経営について
「逆に円高を利用して云々」
という記事をニュースかなにかで読んで
「あれ？１円の価値は上がってるっけ？１ドルの価値が下がってるだけじゃねーの？」
と思ったから。
ちなみに、この話は逆でも同じ事が言える。
日本が量的金融緩和して円の価値が下がっても
それで誰かが簡単に日本の何かを買い占められるわけじゃない。
補足：
少し「単純計算」し過ぎたかな？
金融緩和＝インフレと言っても
実際にはすべての物が通貨の量に正確に連動するわけじゃない。
たとえば「毎月５０００ドル払う」って契約は
金融緩和しても毎月５０００ドルのままだ。
でもこの話は明日にしよう。
